防犯の基礎について

警察、国・地方自治体などによる様々な防犯の取り組み


防犯への取り組み

防犯への取り組み
犯罪などを防止する様々な活動がありますが、そのすべてを警察が担当することは人員も時間も足りません。その為、自治体や公共団体、個人で自主防犯活動を行うことが必要です。
そして、防犯設備士は、その自主防犯活動の手助けや警察の指導・推進する活動にも協力していく必要があるとされています。

警察による防犯の取り組み

警察は防犯活動として、身近な日常生活の中で発生して住民が被害者になるような犯罪から守り、犯罪が発生する可能性のある場所の物理的環境を改善する事をおもに防犯活動とします。

警察が地域を守る活動

具体的に、侵入窃盗や性犯罪、誘拐、放火、ひったくりなど身近な危険は多くあります。
住む地域にもよりますが密猟(密漁)、風俗関係事犯もあるので警察は犯罪発生が予想される地域・施設へ向かい現状の把握や刑法犯の種類別に防犯の対策を立て、住民や企業に以下のような指導・支援を行います。

防犯広報

現在の犯罪数の状況や実態をポスター、サイトなどで公開し誰にでもわかるように知らせ防犯意識を高めるよう促します。各種の犯罪の防止方法などもパンフレットや講演会などで伝え1人1人が犯罪を許さない様にする効果を目指しています。

防犯相談・診断

未然に防ぐ為に、住民の悩みや困り事を聞き、それぞれの問題に対処をどうするかを指導したり、連絡をしたりします。
また、戸締りや人気のない忍び込みやすい場所がないかを調査し、それらを補強や整備を目的とした診断も行います。必要に応じて防犯設備士も診断に加わり、被害にあう可能性が高い部分などを把握し防ぐことに繋がります。

現場防犯・防犯連絡

犯罪が起こった後、警察は同じことが繰り返されないように現場の調査や手口、状況を把握して被害になった原因の除去を行ったり、指導したりします。これも防犯相談と同じく必要に応じて防犯設備士が加わり臨場調査を行う場合があります。

犯罪が起こりにくい環境づくり

犯罪が起こりにくい環境をつくるには、建物・道路・公園などを犯罪者が行動しにくい構造や景観にすることによって抑制を目指すことです。
具体的には、防犯灯の設置や、街路樹などの枝打ち・剪定をし、視界を遮らない様するようにしています。
また、近年は地方や県と手を組みスーパー防犯灯の取り扱いも始めています。
このスーパー防犯灯というのはわいせつ行為やひったくりが増えたことに対応するために、防犯灯に赤色灯や非常ベル、防犯カメラ、警察にすぐに繋がるインターホンが付いている高機能な防犯灯です。現在は人の多い道路や公園に順次設置している最中です。

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国・地方自治体による防犯の取り組み

防犯への取り組み

警察庁と国土交通省は平成9年度から2年の間に地方自治体や地域の住民の意見を聞いて安全などに対する調査を行いました。
そして平成12年2月24日に「安全・安心まちづくり推進要綱」を策定し、治安の向上を推進しています。
この「安全・安心まちづくり推進要綱」は道路や公園、その他共同住宅や住宅の開口部の防犯対策として防犯建物部品などの使用について明記されています。
また、エレベーター内に防犯カメラの設置を必須にする項目や照度の定義なども行われています。
他にも平成15年には「防犯まちづくりの推進について」という取り組みをまとめ、モデルとなる地区の選定をして地区の特性に応じた防犯対策の仕方をまとめたものがございます。

県や市による取り組み、防犯モデルの確立

上記載のモデルとなる地区と同じように平成18年からは「防犯優良マンション標準認定基準」、東京や大阪など一部の都道府県では「防犯モデル駐車場登録制度」なども開始されています。
これらは防犯カメラ・カメラの映像を映すモニター・屋内屋外のライトの明るさなどの基準が作られており、この基準を元にしてマンションなどを建築、運用するよう勧められています。

他にも警察庁や民間団体が共同で「防犯性能の高い建物の部品開発・普及に関する官民合同会議」を設置し、その会議にて「防犯性能試験を実施し、侵入するまでに5分以上の時間がかかる場合は一定の基準を合格したものとして継続的に試験を行い、侵入防止対策などについてなどを公表しています。

地域住民による活動

地域住民の自主防犯活動も推進する為に警察庁は、民間団体や地方の公共団体が行えるパトロールカーの導入、及びその自動車に使用する青色の回転灯の装着を認可するようになりました。
これは全国的に広まり、平成22年度までに約3万台の青色回転灯付き防犯パトロールカーがあり、地域の見回りを行っています。

日本防犯設備協会の取り組み

公益社団法人日本防犯設備協会(Japan Security Systems Association)は、防犯の設備に関する知識や技術を生かして安全で信頼できる設備の普及と市民の安心を目指し、昭和61年から設立された公益法人です。
同協会は
・防犯機器やシステムの調査、研究、防犯診断
・防犯設備の設置に携わる者に対しての研修
・安全で信頼できる設備の普及
をおもな活動とし、その設備の普及などの専門家を養成するために、防犯設備士・総合防犯設備士の試験や講習を実施しています。
また、防犯設備士は高い倫理性と守秘義務を持つことが基本とされています。

平成20年からは、「優良防犯機器制度(RBSS制度)」を発足させ、有料な機器の開発と普及をわかりやすく伝えるようにRBSSマークの交付をしている。このRBSSマークを貰う認定には厳しい審査があります。

様々な防犯の取り組みのまとめ

自主防犯活動 → 警察が全ての犯罪防止を担当することは人員も時間も足りない為、自治体や公共団体・個人で自主防犯活動を行うことが必要である。

物理的環境を改善 → 犯罪が発生する可能性のある場所などを見回りしたり、近隣住民に呼びかけるようにすること。

防犯意識 → ポスターやCM、ニュースなどで高める。

犯罪が起こりにくい環境づくり → 犯罪が起こりにくい環境をつくるには、建物・道路・公園などを犯罪者が行動しにくい構造や景観にすることによって抑制を目指すこと。

スーパー防犯灯 → 赤色灯や非常ベル、防犯カメラ、警察にすぐに繋がるインターホンが付いている高機能な防犯灯。

「安全・安心まちづくり推進要綱」 → 道路や公園、その他共同住宅や住宅の開口部の防犯対策として防犯建物部品などの使用について明記されている。

防犯まちづくりの推進について」 → モデルとなる地区の選定をして地区の特性に応じた防犯対策の仕方や取り組みをまとめている。

「防犯優良マンション標準認定基準」 → 平成18年から開始された取り組み。『共用玄関、共用玄関の存する階のエレベーターホール及び共用メールコーナーの照明設備は、50ルクス以上の照度を確保』、『住戸の玄関は、防犯建物部品等の扉及び錠を設置』など様々な基準を合格したマンションを指す。

「防犯性能の高い建物の部品開発・普及に関する官民合同会議」 → 現在の侵入犯罪の手口を踏まえ、建物への侵入を防ぐための各建物部品の基準などについて検討を重ねて防犯性能の高い建物部品の開発や普及の在り方をまとめる為の会議。「侵入までに5分以上の時間を要する」などの基準を評価された部品を防犯建物部品といい、平成28年度現在17種類、約3,200品目がある。

防犯設備士は高い倫理性と守秘義務が必要 → 安全で信頼できる設備の普及や防犯機器やシステムの調査、研究、防犯診断などを行う防犯設備士の基本要件である。

優良防犯機器制度(RBSS制度) → 優良防犯機器として様々な条件があり、認定されるとRBSSマークを運用使用することが出来る。