防犯の基礎について

防犯の基礎知識


防犯・犯罪と防犯設備士の関係

防犯・犯罪と防犯設備士の関係
防犯設備士は防犯設備機器普及と、
運用に関する専門的知識と技能を有する専門家の資格の為、住宅や事務所・その他建物の防犯対策を防止するためにはどのような対策をすればいいかという、[犯罪とは]の窃盗や侵入窃盗の区分を担当の活動を行います。

防犯とは

まず、防犯というのは犯罪を未然に防止する事です。
他者に危害を加えられそうになった時に防ぐ物を携帯する受動的防犯と、
地域パトロールなどをして犯行をさせにくい環境を作り防ぐ能動的防犯に分けられます。

詳しく説明をすると受動的防犯は、「もし不審者が現れたら……」など予測できる犯罪に対して事前に防御する方法を用意しておくことです。
例えば建物の防犯の場合は、住むマンションを探す際にオートロックの出入り口、防犯カメラや録音が可能なインターホンを設置してある事を条件にしたり、空き巣が来るかもしれない事を想定し窓に通常の鍵以外にも二重の鍵を設置・防犯フィルムを張り付けるなどをすることが受動的防犯と言えます。
また、通り魔や暴漢の対処としてスタンガンや防犯ブザー、GPS機能付きの機器を持つ事も受動的防犯です。2003年頃から小学生などへ防犯ブザーを学校主体で配布したりする動きが増えました。これも受動的防犯の1つです。

次に能動的防犯は、あらかじめ犯罪の起きやすそうな場所を見つけ出し防犯カメラ・監視カメラの設置やパトロールを実行し徹底的に取り締まる事で”犯罪の起こりやすい環境を改善する”取り組みの事をいいます。
街中に犯罪に対する注意喚起のポスターを貼ったり、挨拶など近隣の住民同士の声かけをしたりすることで、この町や地域は犯罪を行いにくいと思わせる事が能動的防犯です。

犯罪とは

犯罪というのは刑罰法規で科される事実や行為のことです。
犯罪は主要刑法犯5つとその他の刑法犯を合わせて包括罪種といいます。
5つの主要刑法犯は、凶悪犯、粗暴犯、窃盗犯、知能犯、風俗犯に分類されます。

主要刑法犯 凶悪犯 殺人、強盗、放火、強姦
粗暴犯 暴行、傷害、脅迫、恐喝、凶器準備集合
窃盗犯 窃盗
知能犯 詐欺、横領(占有離脱物横領を除く)、偽造、涜職、背任
風俗犯 賭博、わいせつ
その他の刑法犯 公務執行妨害、住居侵入、逮捕監禁
器物破損、占有離脱物横領など上記以外の刑法犯

以上の刑法犯の中で最も犯罪数が多いのは窃盗犯です。
この窃盗犯は、暴力団員が海外へ不正に輸出するために自転車を盗むなどの組織的な窃盗から、日本に訪れた来日外国人の犯罪グループが侵入窃盗を行っているケースもあります。
窃盗犯の中の1つ侵入窃盗は、約60%が住宅で残りは商店や事務所です、この侵入窃盗は年々減少傾向にありますがそれでもまだ発生しているのは事実です。
空き巣、忍び込み、居空きの順に多い侵入窃盗で、空き巣は家人が家にいない時に狙いますが、忍び込みや居空きは家に人がいる状態での侵入窃盗の為、もし家の中で見つけてしまった場合殺傷事件になる場合もあります。
その為、まず侵入させないような防犯を心がけるのが必要となり、侵入させない方法やカメラの設置などを考えるのが防犯設備士です。

他の刑法犯についても少し説明をします。

凶悪犯

警察白書では、殺人・強盗・放火・強姦の罪を犯した者を指します。
誘拐が含まれる場合もあります。

粗暴犯

暴力によって他人に損害を与えた犯罪者のこと。
警察白書では、暴行・傷害・脅迫・恐喝・凶器準備集合の罪を犯した者を指します。
窃盗犯の次に件数が多いです。未成年での『いじめ』と呼ばれる行為も大きな枠組みの中ではこれに入ります。

知能犯

暴行・脅迫によらずに、主として知能を使った犯罪者です。
警察白書では詐欺、横領(占有離脱物横領を除く)、偽造、涜職または汚職、背任を指します。
最近では特殊詐欺と言われる振り込め詐欺、オレオレ詐欺などの発生率が大幅に増え注意喚起を行う警察や団体も多くなりました。
それでも次々に手法を変えて行ってくる犯人が多く、被害額も数百臆に上っています。

風俗犯

猥褻(わいせつ)罪など性道徳に反する犯罪と、賭博罪などの社会の善良な風俗に反する罪を指します。
近年は野球賭博や裏カジノなど日本でも多くテレビで聞くようになってきました。

その他の刑法犯

包括罪種のうち、上の5つに分類されないその他の犯罪を指します。
主に占有離脱横領や住居侵入、公務執行妨害などもこれに入ります。

上記のような犯罪の形態や手口は日々変化していくものです。
その為、防犯設備士としては警察白書や犯罪白書を通じ最新の犯罪状況などを把握する必要があります。

防犯知識のまとめ

防犯とは犯罪を未然に防止する事

犯罪とは刑罰法規で科される事実や行為の事

包括罪種 → 凶悪犯、粗暴犯、窃盗犯、知能犯、風俗犯、その他の刑法犯の6つを総じたものを言う。

主要刑法犯 → 包括罪種のその他の刑法犯を除いた、凶悪犯、粗暴犯、窃盗犯、知能犯、風俗犯のことを指す。

警察白書 → 日本における警察活動に対して、国民の理解を得るために警察庁が作成している白書。

日本で一番多い刑法犯 → 窃盗犯で手口として空き巣、忍び込み、居抜きの順に多い。