抵抗の接続に関する基礎知識

抵抗の接続に関する基礎知識


直列接続と並列接続

抵抗の接続方法として、直列接続と並列接続があります。それぞれの接続方法によって各箇所にかかる数値の大きさが変化してきます。ここでは防犯設備士の基礎知識としても必要な分野となる抵抗の接続方法や分圧、分流についても紹介していきたいと思います。

直列接続とは?

直列接続
右の図のように抵抗を直列に接続したものを直列接続といいます。まずはこの直列接続した回路の説明として、Eが全体に加わる電圧です。次にIがこの回路を流れる電流、R:1は一つ目の抵抗でE:1がその抵抗に加わる電圧です。その次にあるR:2が二つ目の抵抗でそれに加わる電圧をE:2としています。Rはこの回路全体にかかる抵抗を表しています。

直列接続の各部分の数値を求める

上記、直列接続の図に対して電流Iが流れています。このとき電流Iは抵抗R:1,R:2に対して同じに流れます。
これらを踏まえてまずは電圧E:1とE:2を求めます。
そしてそれらの合計値が電圧Eとなります。それぞれE:1とE:2の数値は下記のようにオームの法則の E=I×R を利用して求めます。
E:1とE:2の数値

次に全体にかかる抵抗Rと全体を流れる電流Iを求めます。
抵抗Rと全体を流れる電流I

ここで導き出されたRの事を直列接続の合成抵抗といいます。この合成抵抗の値は各抵抗の和となります。次にこれらの数値を利用して各抵抗R:1,R:2にかかる電圧E:1,E:2を求めます。

電圧E:1,E:2

このように、電圧Eが抵抗値に比例して分割されます。これを分圧といいます。
また、この直列接続のように抵抗が複数個(n個)ある場合の合成抵抗の値は下記のような式で表されます。

合成抵抗の値

この式から、直列接続の場合の合成抵抗は各抵抗の値を足せば導き出すことができます。同じ抵抗値を複数個(n個)接続する場合は単純に数の分だけ倍にすれば良い(n倍)

また複数個の抵抗が直接接続されている場合の、各抵抗に加わる電圧は、

各抵抗に加わる電圧

というように抵抗値に比例して分圧されます。

並列接続とは?

並列接続

並列接続とは右の並列接続の図のように回路が途中で分岐になっているのもをいいます。直列回路の部分でも説明したように、電圧E,全体の電流I,各抵抗と電圧R:1,R2,E1,E2と合成抵抗R、今回はそれに加え、それぞれに流れる電流I:1とI:2があります。

並列接続の各部分の数値を求める

並列接続では各抵抗に加わる電圧は同じになります。
ここでオームの法則を利用して電流I:1,I:2を式で表すと以下のようになり、合成抵抗Rを求めることができます。

合成抵抗R

この式のRを並列接続の合成抵抗といい、合成抵抗Rの値は各抵抗の逆数の和の逆数となります。並列抵抗の合成抵抗に関しては、各抵抗値の値より小さくなることに注意が必要です。

逆数について

逆数とはその数に対して掛け算した結果が1となる数値のことです。
例えば10の逆数は1/10となります。10×1/10=1となるためです。
例えば1/8の逆数は8です。簡単な計算として(1/8)x=1と考えるとx=8になるというように計算できます。

また、各抵抗を流れる電流は下記のように求めることができます。

各抵抗を流れる電流

このように、回路全体の電流Iが抵抗値の逆数の比率で流れます。これを分流といいます。分流の場合は抵抗値が小さい方に大きい電流が流れます。
また、複数個(n個)の抵抗がある並列接続の合成抵抗の値は下記のような式で表される。

並列接続の合成抵抗の値

並列接続の合成抵抗を求める場合は、各抵抗値の逆数計算を順序良く解いていくとわかりやすい。
各抵抗値が同じものを複数個(n個)接続する場合の合成抵抗は1個の抵抗値の1/nになる。

また、複数の抵抗が並列接続されている場合は、電源Eから各抵抗に流れる電流の値は下記のようになります。

電源Eから各抵抗に流れる電流の値

このように抵抗値に反比例して分流します。

抵抗の接続まとめ

直列接続 → 抵抗を直列に接続したものを直列接続といいます。
電流は抵抗に対して同じに流れます。

分圧 → 電圧Eが抵抗値に比例する形で分割されること。

並列接続 → 回路が途中で分岐になる形で抵抗が接続されていること。電圧は各抵抗に同じに流れます。

分流 → 回路全体の電流が抵抗値の逆数の比率で分割されること。

電源(全体の電圧) E の求め方 → E=E:1+E:2

直列接続の合成抵抗の求め方 →
直列接続の合成抵抗の求め方

直列接続の各抵抗に加わる電圧の求め方 →
直列接続の各抵抗に加わる電圧の求め方

全体の電流 I の求め方 → I=I:1+I:2

並列接続における各抵抗の電流の求め方 →
並列接続における各抵抗の電流の求め方

並列接続における合成抵抗の求め方 →
並列接続における合成抵抗の求め方